そういやオイラは一応FNMを運営してるんでした。
だいたいこういうルール上で気になることって大会に出たり実際にジャッジングした時なんかに出てくるんですよね。
なので、不定期は変わらないでしょうがFNMの後にやることが多くなりそうです。


前回の続き(http://howatotomemories.diarynote.jp/201102241104089112/)
今日のFNMで例3にあたることが実際に起こりました。カードとかは違うけれど。

と、その前に。一部のプレイの省略について簡単に。
マジックのルールを正確にプレイしようとすると、膨大な時間がかかってしまう。これは本来、呪文や能力の解決・ステップフェイズの移動に「全てのプレイヤーが優先権を放棄する」ことが条件になるからであり、マジックは通常合計12程度のステップ?フェイズが存在しそのたびに「優先権放棄します」といちいち言ってられない。呪文の解決にしてもそう。ストーム15とかひとつずつ解決したら3ゲーム終わらない。
そこで「なにもなければ」という省略が意識しなくても度々行われるわけである。この省略は「私は宣言した箇所まで現状何もしません。あなたも何もしなければ宣言した箇所までスキップします」という意味がこめられている。
簡単に例を出そう。

1、「迫害プレイ、青で」
2、「エルズペス・ティレルに稲妻うちます」
3、「(ドローした後に)攻撃していい?」
4、「エンドでディスカードOK?」
5、「(弱者の剣・クラークの鉄工所・飛行機械の鋳造所が場にある状態で)トークン1万体出して2万ライフ得ますね」

ちょくちょく見かける省略の例だと思う。これをルールに則して解釈すると

1、「迫害をプレイします。こちらはなにもしないので、そちらがなにもしなければ解決時に青を指定します」
2、「プレイヤーを対象に稲妻をプレイします。こちらはなにもしないので、そちらがなにもしなければ解決時に稲妻のダメージをエルズペスに置換して与えます」
3、「こちらはなにもしないので攻撃クリーチャー指定ステップまでスキップしていいですか?そちらがなにもしなければ攻撃クリーチャーを指定します」
4、「こちらはなにもしないのでクリンナップステップまでスキップしていいですか?そちらが何もしなければ適正枚数になるまで手札を捨てます」
5、「弱者の剣を鋳造所で生贄⇒出たトークンを鉄工所で生贄⇒でたマナを使って弱者の剣を鋳造所で生贄、というループをそちらがなにもしなければ1万回繰り返します」

本来解決時に行う選択をプレイした段階で宣言したり、優先権のパスが複数回行われるであろうやりとりを言葉ひとつで省略しようとしている。
既に書いたが、「そちらががなにもしなければ、こちらもなにもしませんので正規の手順を省略して指定した所へスキップします」ということである。1~5の全てに共通で言えることは「君がなにもしないなら俺もなにもしないからここまでやっちゃうよ」ってことだ。
省略には、お互い「なにもしない」ということが大前提なのである。
5のようなループの場合は、ループ作業はしているのだけれどループ以外の要因がなければループが不完全になることが無い。つまりループに必要な作業以外に「なにもしなければ」と置き換えればよい。

ちなみに、省略とは少しずれるが自分の意思で止められる無限ループの場合上記の例のように回数を指定しなければいけない。事実上無限に動くエンジンに変わりは無いのだが、マジックに無限は存在しない。
よって5はこのように解釈する
「こちらはこのサイクルのループを1万回繰り返します。もしあなたがこのループに割り込むのであれば、何回目のどのタイミングか指定してください。」
割り込むときは、「4回目のこの状況でこのように割り込みます」などのように宣言してプレイすればよい。


さて本題である。昨日のFNMで実際にあった場面だ。

例5)
青白探索をプレイしてるA。聖なる秘宝の探索がある状態で粗石の魔道士をプレイして「通りますか?」と聞いた。
Bは「どうぞ」と許可したが、Aはその後に探索の上にカウンターを乗せようとした。

この「通りますか?」という言葉にはマジックのルール上で意思疎通を行ううえではどんな意味を持っているか。前回の記事にも簡単に書いたがもう少し突っ込んでみる。

「通りますか?」とは「この呪文を解決してもいいですか?」 つまり
「そちらがなにもしない限り、こちらはこの呪文が解決されるまで優先権を放棄し続けます。そちらがなにもしないのでしたらこの呪文を解決します。」
と言っているのである。

さて例5の場合に戻ろう。プレイヤーAは粗石の魔道士をプレイし、当然聖なる秘宝の探索は誘発している。
Aはここで「通りますか?」と聞いた。上記の通り「通りますか?」は「解決していいですか?」と同じことであり、Bがなにもしなければ粗石の魔道士は解決される。
探索の誘発型能力がmustならここでジャッジからストップかかるところだ。そう、魔道士を解決するためには本来なら探索の誘発型能力を解決しなければいけない。
しかし探索の誘発型能力はmay型誘発、解決時にするかしないかを自由に選べるタイプの能力である。そしてmay誘発は本来解決されるべきタイミング、もしくはそれ以前で意思表示をしなかった場合「しないことを選んだ」とすることがルールで定められてる。
つまり、魔道士が解決するまでなにもしないのだから誘発も「しないことを選んだ」とみなされるのである。

ならどうすればよかったのか。前回も書いたように、誘発したらひとまず宣言することだ。
例の場合なら、魔道士をプレイしたときに「カウンター乗せます」とでも言えばいいだけの話で、その上で「通りますか?」と聞けばなにも問題は起こらなかった。
誘発忘れはそれだけで不利益を被ることが多いので気をつけるようにしたい。



もし相手にレスポンスがまずないと思われる状況(相手がタップアウトしてるなど)で、いちいち確認するのが面倒だと思うならあらかじめ口頭で断りを入れることをお勧めする。
例6)
Aは聖なる秘宝の探索をコントロールしている状態で、「メムナイト⇒きらめく鷹(メムナイト戻す)⇒メムナイト」という順番でプレイした後に探索カウンターを3つ乗せた。

なにも言わずにこうプレイするのは間違い。しかし、あらかじめ「メムナイト⇒鷹⇒メムナイトとプレイするのでカウンター3つ乗せたいけど省略していいですか?」と意思表示をしてから行えば、いちいち確認しなくても問題はなくなるし、時間短縮になって望ましい。
ただし、言葉が通じない相手(主に外国人)とやる場合は面倒でもひとつずつ解決した方が意思疎通のトラブルが発生しにくいだろう。



※ソプターコンボのライフ間違えてたので修正しました。ほかにも何か間違いへの指摘・質問などがあればコメ欄にてお願いします。

コメント

俗
2011年2月26日12:35

心情的には草の根大会で多少のミスは戻しても良いと思うけれど、スタンで今一番起き易いミスが誘発のスタック処理で、しかもそれの順やチェック回数が勝負に与える影響がとてつもなく大きい。
若干の有利不利ではなく、1ミス=負けに直結する。
環境に大振りなカードが多いからなんだけど、何でもかんでも解決段階になってから「間違えたから」「言い忘れてたから」という理由で、誘発の初めまで遡及してコブラのマナや探索カウンターの追加が大会の規模によって許されちゃうのがやりづらいなぁ。

それはそうとyahooにメールしましたー。

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